談合破り!―役人支配と決別、命がけの攻防記



談合破り!―役人支配と決別、命がけの攻防記
談合破り!―役人支配と決別、命がけの攻防記

商品カテゴリ:アート,建築,デザイン
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花(監理)は、どこに行った?

■【積み木崩しならぬ、「談合崩し」のお話です】
岐阜市の零細ゼネコン(希望社)が、ある市施設の建
設を通して「(官製)談合くずし」から始めて(工事
費の)精算を終えて竣工を迎えるまでの、岐阜市との
折衝を物語るノンフィクションです。ぬるま湯に浸る
「役所と(建設)業界」とが具体的事例を通して赤
裸々に描かれております。
 
■【建築紛争の裁判所のお話です】
又、時には、「中央建設工事紛争審査会」(国交省)
まで技術的判断(フラットデッキの型枠品質など)の
仲裁判断を依頼した顛末まで語られております。  

■【花(監理)は、どこに行った?】
悲劇は、『(設計)監理者』(第三者)が不在から始
まっているのではないか?不幸なことに、岐阜市が発
注者で、かつ、設計監理(公共建築室)も担っている
ことに無理があると思います。岐阜市、施工者共に、
意固地に互いの技術的非力を非難しあい、自我丸出し
ではないか?行司(監理者)の居ない相撲では喧嘩に
なり易いのでは?竣工間際の「設計変更処理」も殊更
大げさに考えることではなく、役人も人の子、信頼関
係を築けば少しはスムーズに行ったのではないか?と
残念に思います。

■【寝ぼけ続ける役人達】
建設業界団体側も、改正独禁法の「談合自主申告制
度」(’06年1月)により、心穏やかに談合しにくい
環境になりつつあります(07年度は凡そ75件)。し
かし、「官製談合」のイニシアチブを握っている役人
は、「居酒屋タクシー」が最近話題になったように、
相変わらず底なしの失態を繰り返しております。民間
に比べ、誠に失業知らずの職場で、安眠(旧態依然の
組織)をむさぼっていると思います。筆者が最後に次
のようにまとめており、具体的な提言だと考えます。
『一般競争入札の採用拡大と談合しにくい参加条件
(JV条件と地元優先を止めること)を確立すること
が、官の責務』であると。

建設業者からの公共事業内部告発

 本書の舞台、岐阜市が特別なわけではないだろうが、少数の一般競争入札でさえ、☆2社以上のJVでなければならない  ☆地元業者に限定する  などし、談合の温床作りシステムを野放しにしている。      更に落札後も、積算業務の妨害、越権行為とも言える工事への不当な介入(これを国土交通省による中央建設工事紛争審査会に仲裁申請しても、行政側に与した判断しかしない)と、次々に岐阜市は抵抗を繰り返す。
 
 行政をチェックする役目の市議が事実調査をせず、議会で捏造発言をし、著者を攻撃する件では、これだけ公共事業に絡んで職員や議員が逮捕されても尚、地方議会においては土建屋の手先が幅をきかしていると思い知らされる(他にも岐阜市議には、共産党や市民派がいるが、泥をかぶらぬエセ市民派で、役に立たぬということか?)。

 筆者はこの後、入札排除され続け提訴しているが、岐阜市ですらこうなのだから、県・国となれば更にひどい状態で、無駄な出費が行われている事は想像に難くない。
 これではオンブズパーソンがいくら情報公開をしても、浮き彫りにならない!
 著者は改善提案も示しているので、これをタタキとして、各議員・首長はチェックをし直さねばならないし、ゼネコンやその傀儡議員に負けずその役を果たす議員を、有権者は続々と生み出さねばならない。

これが多くの地方自治体建設部局の実態です。

 私は、桑原さんの著作である「公共事業を内側から変えてみた。」という本で取り上げられた佐賀市の元市長の木下といいます。
 今回の「談合破り」で書かれている役人の対応は、程度の差はあれ、多くの地方自治体の建設技術者がとる対応です。佐賀市役所の場合も、ここまでひどくはありませんでしたが、下水道工事などで建設会社側にきちんとした理由のある設計変更や金額の変更を認めようとはしませんでした。理由は、今回の本に書いてあることと同じです。
 この本は、少し技術的なやり取りが続きますが、じっくり読んでみると、談合がなぜなくならないのか、なぜ公共工事が高くなるのかがとてもよくわかります。また、指名競争入札制度から一般競争入札制度に切り替えただけでは、決して良い公共建築を安く作ることはできないこともわかります。行政や議会の関係者だけでなく、一般の市民の方にも是非読んでもらいたいと思います。
痛快

「談合破り」というよりは、自治体発注物件にかかる役所との戦いを入札?竣工までの全域について描いたもの。「談合破り」は戦いの半分に過ぎないが、本の売り方として時宜にかなうネーミングではある。談合同様、残り半分の戦い(着工以降)も衝撃的だ。

この手の先駆的戦いをする人の物語は読んで痛快であり、実体験の迫力は抜群だ。
市役所と戦いながら現に事業で成功している人の著作というところが、救いのない市役所内部告発本と比べても爽快だ。
しかし、市役所が登場するとどうしてこうも読後感の悪いものになるのだろう。明日もこの役所に行政を委ねねばならん、という脱力感は、やはり救いがない。



WAVE出版
公共事業を、内側から変えてみた
「談合業務課」 現場から見た官民癒着
談合の経済学―日本的調整システムの歴史と論理 (集英社文庫)
談合しました―談合大国ニッポンの裏側
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