教授とお茶を飲みながら。
肩肘はらない語り口にとても好感が持てました。 (個人的な印象ですが)新選組が大好きな教授がお茶の時間に、 ふとした拍子に専門分野に絡ませた「新選組トーク」を始めたような。「俳諧とはなにか」などの基礎的なことにもきちんと触れ、 個人的解釈なのか感想なのか等を明記するなど、 基本的な(でも仲々守られていなかったりする)ことが徹底されています。 その上で司馬作品などを引用して見せ、文学としての味付けは味付けとして評価した上で、学問としての解釈を施します。 そこに、作者の「学問としての文学」に対する姿勢と、「作品としての文芸」に対する愛情、 ひいては新選組に対する愛情みたいなものもが感じられて、なんだか嬉しくなってしまいました。 「この人ってこんなんだったんじゃないかな〜」という、 一ファンとしての作者が楽しそうに笑う声が聞こえてきそうです。 読んでいる側も一緒に「うんうん」とか「ええ?」とか、 「新選組雑談」をしている気分になれる、そんな一冊です。
新たな角度からみた『新選組』と『土方歳三』
新選組研究者でもなく、歴史研究者でもない、国文学者の著者からみた新たな角度からの”土方歳三”像。様々な小説の中で、スパイスとして利用される歳さんの俳句について、文学的な見解・指摘を示してくれています。「俳句なんて、全然わからない...」と購入を迷いましたが、大好きな歳さんに関する本、ということで読んでみました。が、内容は全く堅苦しくなく、俳句の解説よりも、その背景にある当時の文化・文芸・教育について、詳しい解説がなされており、今までの新選組研究本とは一線を画しています。ただ、有名な「豊玉発句集」の解説本だと思って購入すると、がっかりかもしれません。なぜなら、著者はあえて原文を尊重しており、個人的な訳を付したりすることは避けていらっしゃるからです。その点については、国語がニガてな私には解釈が難しかったですが...。何より嬉しかったのは、今回初めて世の中に公表されたという、近藤勇の手紙です(巻末に原文全てが掲載)。著書内にも書かれていますが、手紙の中から近藤さんの人柄が少ししのべます。
土方さんの俳句の真の解釈にせまる!
これまでの新選組本の中で紹介されている土方の俳句の解釈のほとんどが、新選組研究家によるこじつけであると説明されています。また土方の辞世の句であるといわれている「よしや身は〜」ではじまる句も実は土方の自作ではないのではないか、とも指摘されています。土方ファンには少しショックかも。 今、新選組研究家以外の学者の間でも、新選組研究は盛んだと聞きます。この本の著者は国文学者。土方の句や近藤の和歌を通して新撰組の実像を探っています。新しい切り口で新選組を見つめたものとして、松浦氏の「新選組」よりは劣るが、加藤氏の「新撰組の謎」よりはよほど優秀でしょう。(あくまで私の意見ですが)。
PHP研究所
土方歳三―新選組の組織者 (KAWADE夢ムック) 土方歳三の日記 新選組100話 (中公文庫) 新選組全隊士徹底ガイド (河出文庫) 新撰組顛末記
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